2021年8月にオンライン認知療法セミナー2021を開催します。今回は、昨年と同内容となります。8月1日から1カ月間、録画動画を視聴していただけます。内容は以下となります。
講師
井上和臣(内海メンタルクリニック・認知療法研究所)
若井貴史(長岡病院心理課・哲学心理研究所・認知療法研究所)
内容
第1部 認知療法・認知行動療法:基礎(井上和臣)
第2部 行動的技法:活動記録表(若井貴史)
第3部 認知的技法:コラム法(若井貴史)
参加費
録画視聴 10,000円
昨年は非常に好評をいただきましたので、今年もそのまま、同じ内容を提供することにいたしました。お申し込みは以下のサイトからお願いします。
https://forms.gle/o8U2xm4pCvH1E4TT8
井上和臣先生に広報用の動画を作成していただきましたので、ご覧ください。
また、参考までに以下、昨年の受講者の感想を、ごく一部ですがご紹介いたします。お申し込みの際の参考にしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
パート1
認知療法や認知行動療法について、詳しく学んだことがなかったので、認知療法の流れや適応(禁忌)、基本原則が勉強になりました。
井上先生のおっしゃっていた15分ルールや48時間ルールのお話や、パニックの患者さんへの電車の行動実験のお話などがとても印象に残り、とても勉強になりました。また、スキーマがお茶碗、信念がごはんというたとえ話がとても分かりやすかったです。私は今まで認知療法にはあまりなじみがなかったのですが、これから勉強してみたいと思いました。
興味深いお話を、どうもありがとうございました。
認知療法・認知行動療法の歴史をはじめてとして,これまでの経緯・流れをお聞きでき,とても勉強になりました。井上先生のお話のされかたやアクセントが大変,優しく,このような先生に主治医になっていただければ,患者様は安心感を得られると強く思いました。
書籍などで認知行動療法を学ぶだけでは、バラバラになっていた知識について、各世代の違いを含めて整理して理解に繋がったように思われる。
認知療法の基礎について、丁寧に説明されていて分かりやすく、さらに、実際の臨床場面でのお話も盛り込まれていて、勉強になりました。
今回、初めてセミナーに参加させていただきましたが、とても素晴らしい講義をありがとうございました。子育てをしながら働く私にとって、今回のように自分のペースで受講できるオンラインスタイルは非常に助かりました。
普段、認知療法・認知行動療法とは遠いところで仕事をしているため、今回は「基礎」編ということでしたが、正直、自身の知識の欠如を感じるところも多々ありました。
しかし、最近よく耳にするマインドフルネスについても理解を深めることができましたし、認知療法は比較的健康度の高い人の方が効果があるということが印象的でした。臨床心理士資格試験受験の際に、認知療法が適しているものを選択肢から選ぶことはできていたましたが、それが何故なのか説明することはできていませんでした。今回の先生の説明は非常に分かりやすく、認知療法が適している理由が分かり非常に有益であったと感じました。
私自身、誤解していたが、井上先生から、サポーティブな精神療法とは距離が近いものであると説明していただき、今までの臨床にも、取り入れやすいものだと感じた。
治療場面における宿題などの副作用については、クライエントと対面していく上で常に持っていないとならない視点だなと改めて感じました。今まで授業で学んできた事では、副作用の視点についての言及が弱かったように思います。
クライエントの状態、経過によってはきちんと副作用面もアセスメントし、進めていかなければならないところだと思いました。
井上先生、貴重なお話しをありがとうございます。
先生が面接場面でどの様にクライアントを捉え、どんな言葉を示したのかという具体的なお話は、自分自身の面談を振り返る機会となりました。これからの面談にも役立ててまいります。ありがとうございます。
認知療法、認知行動療法を行なっていく中で重要となる考え方を分かりやすく講義して下さったためパート2に移った際に理解が進みやすかったです。また実際場面でどのように治療を進めていくことが多いか、といった例を挙げながら説明してくださったことも非常に勉強になりました。
住んでいる場所も遠く、幼い子どももおり、実際に足を運んでの研修であれば参加はかなわなかったと思います。動画で配信してくださったおかげで勉強することができ、ウィルスは迷惑ではあるのですが、今回のことだけ考えると機会を与えて頂いたことをうれしく思います。
認知療法・認知行動療法について、世代の流れを掴みながら学ぶことが出来、とても勉強になりました。
『認知療法はセルフヘルプ。自分で自分を助けていく』という言葉を聞き、私達は、患者が自分の認知と向き合う作業を支持する立場であり、共同経験者なのだと、改めて実感することが出来ました。
そして、患者自らが、認知との距離をおくこと、脱中心化していくことを、同じチームの一員として携わっていけたらと思いました。
ありがとうございました。
かなり基礎的な部分から丁寧に教えて頂き、忘れていた事を再確認できたり、再発見があったりと、とても勉強になりました。先生のエピソードが伴っているため、さらにわかりやすかったです。
パート2
日常活動記録表の例、質問例がとてもわかりやすかったです。実践のイメージがわきました。
活動記録表ということを初めて知りました。活動記録表は、日ごろの学生相談への臨床でも活用できそうで、勉強になりました。特に、気分や感情を数値で表すと、気分が変わるきっかけをつかみやすくてわかりやすいですね。
まずは自分でもやってみたいと思います。
どうもありがとうございました。
活動記録表をホームワークとして利用することはあるが、せっかく書いてきてもらったものをうまく活用できていなかったため、今回の資料や先生の話を参考に、面接をよりよいものにしていきたい。
ワークを通して、活動記録表から読み取れる情報が多岐に渡ることがよく分かりました。
出産と育児で仕事から離れていますが、病院で働いていたときに活動記録をつけてもらっていたことを思い出しました。ただ、あまり詳細なものではなかったので、今回学ぶことができて良かったです。相手によって調整し、今後も活用できると良いです。また、ポジティブデータログをもっと活用できると良いと思いました。
説明がとてもわかりやすかったです。「ポジティブ・データ・ログ」はかなり取り入れやすい手法で参考になりました。
実際にセルフモニタリングする手法について具体的な事例を通して説明して頂き、自分が現場で対応しているケ-スと比較しながら考えることができました。アリストテレスの実験を利用した説明がとても面白く、また行動(認知)と結果の比較が具体的事象でわかりやすかったです。紹介して頂きましたアプリやマニュアルも参考に勉強していきたいと思います。
帰納的な思考で取り組んでいくということがなるほどと思いました。認知療法は現代的な療法という認識でしたので、哲学的な思考とも通じることが発見でした。事実から推論していくための活動記録表を作っていく行為が、自分を知る、整理するのに役立つものだと感じました。
セルフモニタリングのについて、その目的について明確な説明があり、よかった。
事実・データをもとに帰納的に考えること、を丁寧にしていくだけでも、思い込んでいる、ゆがんだ認知に気がついていけることがわかり、SCや学生相談の場で、充分活用できることが分かった。
知識としての認知療法は知っていましたが、実際に学んだのは始めてでした。若井先生の経験に即した具体的なお話しは分かりやすく、実際の面談でも使ってみたいと思いました。
ありがとうございます。
「活動記録表」のお話を通じて、「何をセルフモニタリングするのか」ということを非常に分かりやすくお話いただけたように感じています。また、「活動記録表」をつけることで、対象者の気分の波を“客観的”に共有することができること、また、きっかけ作りに有用であること、中長期的な視点で気分の波を知ることができる資料となること等、分かりやすく解説いただけたように思っています。
また、お話の中で、ポジティブ・データ・ログの際には、現在の世の中のニーズに合ったスマフォのアプリ等での記録の仕方等も、簡便で実施しやすいツールであると思いました。
パート3
コラムのよくある失敗例や悪い例が参考になりました。どこが良くないかを考えることで、良い書き方の理解が深まりました。ありがとうございました。
コラム法に関しては,理解しやすく教えていただきました。これは,スーパーバイズを受けなければ,なかなか本当に使えるスキルになることは難しいと思いました。スーパーバイズを受けながらの自己研鑽の必要性を感じました。すべての時間が私にとっては,新鮮で勉強になることばかりでした。こんなに集中できた研修はめったにありません。心より,御礼を申し上げます。
コラム法に関して、適応的思考をどう炙り出していこうかと迷うことが度々あったが、十分に理解できないまま導入していたためと思われる。今回のケースや資料を通して学んだことをクライエントに還元していきたい。
これまで,CBT関連の話を聞くたびに触れてきたコラム法だったが,今回,そのコラム法を使う際のポイントが理解できた。
先生の解説する3コラムの悪い例が非常に参考になりました。状況と自動思考の区別がわかりやすく、今後は臨床ケースで使えるよう同僚と書いて確認していこうと思います。また、説明を聞いていて、本人が曖昧にしたいことや無意識的に回避していることを直面化するので一般的な言語面接のように時間を掛けて関係を作ることが難しい場合は踏み込むことが実施する側もエネルギーが必要だなと感じました。短時間で直面化するので実施ができるクライエントかをアセスメントしていく技量も求められるなと考えさせられました。
認知を変えることがゴールではなく、不快な感情を適正にするのがゴールというのをしっかり覚えておこうと思う。コラム法はワークシートに記入することで状況、自動思考、感情をわけることができるが、慣れるまで少し難しいと思った。5コラムまでできるようになればいいが、それには経験が必要だと思った。
「コラム法」では、認知のモデルについて、外部環境、内部環境のお話、また、主として3コラム法(状況→認知→感情)の話に興味を持ちました。目的は感情の適正化(不快感情を取り去るのではなく、適正な不快感情にしていくこと)は、まさしくその通りだなあと思いました。また、個人的に惹かれた部分としては、認知のアセスメントの段階で、「辿り着くまでネチネチと尋ねていくこと」という点です。感情を手掛かりに認知をキャッチしていくこと(自動思考を探していくこと)といった視点はとても大事な部分であると思いましたし、今後の自身の臨床でも客観的な視点を持ってそのような部分を注視していくことが出来たら良いように思いました。また、「3コラムのよくある失敗とその対策」としてお話いただいた部分については、個人的には、もっと訊けたらと思いましたし、このような回の研修会等があれば、参加してみたいなとふと思いました。ありがとうございました。
全体通してですが、「セルフヘルプ」というキーワードが印象的でした。また、途中「共同作業」ということもでていました。認知(行動)療法というと、セラピスト主導で枠組みはめていくような、イメージが失礼ながらあったのですが、そういうことではないのだとわかりました。
若井先生、コラム法を中心とした講義有難うございました。状況から自動思考を考え、感情を特定していくという3コラム、そこから適応的な思考に変容していく認知再構成法とても勉強になりました。井上先生の講義の中に、経験的共同主義という内容がありましたが、その内容がこの講義から改めて理解できたように思います。認知再構成法でソクラテス式問答法を行うということもそうですが、セラピスト側から適切な思考を押し付けるのではなく、クライエント自身が気づき、その思考を変容させていくという流れ、セルフヘルプの方法でありながら、クライエントとセラピストの共同作業による治療だと感じました。技法としても勉強になりましたが、大きくは認知療法から臨床の根幹を知れたように思います。改めて有難うございました。