第2回CBTセミナー「マインドフルネスの臨床応用」

概要

9専門家向けセミナー 講師
日 時2020年7月19日(日)15時〜17時
場 所Zoom(オンライン)
内 容「マインドフルネスの臨床応用」
参加者対人援助の専門家約50名

詳細

 本セミナーは、第1回CBTセミナー「マインドフルネスの基礎」の参加者から希望の多かったテーマで開催しました。前回と同じく、京都弁証法認識論研究会の主催です。

 私自身もそうですが、参加者のみなさんも、Zoomの扱いに慣れてきたのか、Zoomの使い方に不慣れな方は事前に個別に相談にのって使い方をお教えする旨、メールでお知らせしましたが、お一人も名乗り出る方がいらっしゃいませんでした。5月に行った第1回セミナーでは、多くの方が事前リハーサルに参加されましたので、その差に少し驚きました。

 前回と同じく、1週間ほど前に当日の資料をPDFファイルでお送りしました。これで事前に目を通すことができて、疑問点や問題意識を明確にして参加できたと、何名かの方がアンケートで書いてくださいました。今後も、このやり方を踏襲していきたいと思います。

 今回も、当日に研究会のメンバー1名にお手伝いいただいた他は、広報から資料作り、申込者への連絡、当日の講師業、タイムマネージメント、後日の視聴用の録画作業、編集作業など、一人で行いました。私の場合、特に資料作りには時間をかける方で、セミナーに賭けるエネルギー全体のほぼ8割ほどを資料作りに充てています。もちろん、当日は手を抜くということではなく、資料が仕上がっていれば、あとはそれに沿って分かりやすくお話をするだけ、という感じになっている、ということです。

 当日、話している中で、こちらも気づくことがあります。今回気づいたことの一つは、ニュートラルな・中立的な・対象に注意を向けることによって、「思考の波紋」が広がりにくくなる、ということです。ぐるぐるとネガティブなことを考えてしまうときは、対象を反映したある認識=像をもとにして、その像が呼びさますさらなる像、そしてその像がまた呼び覚ますさらなる像、という形で、いわば波紋のようにネガティブな像が次々に描かれていくものです。しかし、スタート地点の反映像を、呼吸に伴う身体感覚の変化とか、足の裏の感覚とかにすると、そこからネガティブな像が呼びさまされる可能性が低減します。その結果、ネガティブな像がネガティブな像を呼び覚ますという、「思考の波紋」が広がりにくくなるのです。

 セミナー終了後、アンケートにご協力いただきました。自由記述欄の内容については、この記事の最後に紹介いたしますが、おおむね好評だった思います。全体の評価が5点満点で4.4、分かりやすさも4.4、活用可能性が4.2などとなっておりました。特に嬉しかったのが講師名を見て参加したという方が、5~6人に1人の割合でおられたということです。リアルの会場で行う研修会でも、くり返し私が講師をする研修会に参加してくださる方が一定数おられたのですが、Zoomによるオンラインセミナーでもそのような方がおられて、素直にうれしかったです。

 アンケートにお書きいただきましたご質問については、それに答える動画を用意しています。現在、すでにひとつアップしましたので、必要に応じてご覧ください。

 今後も、オンラインセミナーを開催したいと考えています。テーマとしては、希望の多かった「CBTのアセスメント」や「認知再構成法(コラム法)」を考えております。また、「弁証法のセミナーを開催してほしい」という声もありました。別の記事で紹介したいと思いますが、われわれ京都弁証法認識論研究会の論文集である『自由学藝』(大垣書店)の第2号が発刊になりましたので、その発刊記念講演会のようなものを現在検討中です。決まりしだい、またご連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。

参加者の感想 

 以下に、2つのグループワークで出た意見と、アンケートの自由記述欄の感想などを抜粋します。他の参加者の方の意見や感想をお聞きするのも、非常に勉強になると思いますので、少し量は多いですが、ぜひともお読みください。

【セルフモニタリング力向上のためのマインドフルネスについて】

・自分の状態に気がついてもらうためにマインドフルネスが使えるというのが分かった。
・コラム方が上手くかけないクライエントさんへのサポートの仕方がわかった。
・マインドフルネスのトレーニングが、クライエントさんをより理解する助けになるとも思った。
・プラス日記良いですね!
・セルフモニタリングができにくい方に向けて有効ではないかと思った。子供に対しては、まずポジティブな体験を通して、身体に気づいていくことが大事ではないかと思った。
・コラム法で自動思考をつかみにくいときに起きていることや、工夫できることがわかった。ポジティブな循環もクライアントさんと一緒に見ていけるようになりたい。聞いた言葉をそのまま返すときにも脱中心化が起きているのかなと思った。
・若いクライエントさんに気持ちを聞くと「普通〜」などと上手く説明できない。どうしているかについて話し合いました。感情に関する単語を表にして提示しているというカウンセラーの方がいらっしゃいました。
・動作法と似ているところを感じた。触れることのできる方が効果的?
・セルフモニタリング力を向上させるためには、3分間呼吸空間法を定期的に入れていくことが大事だと思った。
・患者さんに感想をお聞きすると「考えていなかった」「何も感じません」とお答えになるのは、回避なのかなと思った。「身体で感じたこと」をお聞きすればよいのかな、質問の仕方、問いかけ方に工夫がいると思った。
・CBTでも「何も考えていなかった」と答える方がよくおられて、それが課題になっていく。「考えたこと」「感じたこと」「気づけたこと」自動思考に気づくためにマインドフルネスが大切だと思う。
・「気づく」注意が少しずつ広げていけることが大事なのかなと思う。「どんな体験をしましたか?」とどう感じたか、3分の中でどんな経験をしたかだと思う。

【不快感情や衝動性に対するマインドフルネスについて】

・外来で暴露をやるのは不安があるが入院環境など枠があるなかで実施すると安心なように感じた。
・暴露での応用を学べてよかった。
・マスクつけた状態でカウンセリングで息苦しさや緊張とかで不安になってしまうので、自分でも実践してみたいなと感じた。
・強迫思考が主な方に対する介入の難しさ(行動で確認できないところがあるため)を感じていたが、衝動性に対するマインドフルネスの話を聞いて、介入の一方法として試してみるのも良いように感じた。
・温度計のメタファー:不安をあげるというのが刺激的。感情や感覚をなかったことにしないということだと思った。刺激に対して反応してしまう自分を受け入れられるようになるのかなと思った。図がわかりやすい。
・衝動が起こってからどうするかはわかった。
・グループで体験を共有することで、脱中心化に対する理解が深まりそう。
・マインドフルネスを一緒に共有していくことをやってみようと思う。
・エクスポージャーをするには信頼関係が大きいように思う。観察ではなく、まずはほかのことをする方がハードルが低いのではないか。成功体験を積んでからの方が観察しやすいのではないか。
・超ゆっくりやることでゲシュタルト崩壊は面白い。

【アンケートの自由記述欄など】

ありがとうございました!お久しぶりに動いている若井先生を拝見できて、嬉しかったです。

時間があっという間で、とても内容が濃かったように思います。ありがとうございました。

zoomの研修会は参加しやすい一方で、画面前にずっと着席するので疲れるのですが、2時間という適度な時間だったので、充分、集中することができました。

ポイントが明確で、かつ、講師の臨床実践を踏まえた話し方をしていただいているので、わかりやすかったです。マインドフルネスをただやるのではなく、目的と効用を考えて取り入れたいと思いました。

感想を言いあう時間があったことでより講義に集中できたが、ロールプレイなど他の時間にも使いたかった。

テンポがはやく感じたが、飽きませんでした。グループで話すことで緊張感も保ててよかったと思います。

グループでの話し合いで他の方の意見が聞けて、参考になりました。

子どもがいるので遠方の研修会は参加しづらかったが、自宅で受けられるため気軽に受けることができました。

わかりやすく明確にまとめて、教えて下さったので、わかりやすく頭の中が整理されました。

臨床の現場に、マインドフルネスを活かすことが出来る事を実感出来ました。シェアの時間が数回持てた事と同じメンバーで出来た事がとてもやりやすくて、良かったです。 スライドも分かりやすく、視覚からも内容が入ってきました。

ありがとうございました。事前に資料があり、1回目同様とてもわかりやすかった。ただグループでの話し合い時間が短く不消化だった。グループワークを取り入れるならもう少し時間があったほうが良いと思った。

とにかく内容がとてもわかりやすかったです。また、若井先生オリジナルの心理教育なども紹介して下さって、ぜひ私も活用したいと思いました。

自分自身でもマインドフルネスは活用していますが、それをクライエントの方に活用して頂けるような動機づけができる心理教育がなかなか難しいなと感じていたので、もし次回開催されるのであれば、若井先生が心理教育をどのようにされているなどシュミレーションして頂けるととてもうれしいです。次回の開催も楽しみにしています。

zoomでの研修は、初めてではないので、あまり焦らずに参加できました。途中、グループワークもあり、一方的に講義を聞く従来の研修よりも、研修の場にコミットできていると感じました。

事前に資料を見てから参加できるため、あらかじめわからないところは集中して聴くことができる点がよいと思う。質問もしやすい。

グループセッションで他の方の意見を聞くことができて、先生の話をより具体的にイメージすることができました。自分も話をすることで、研修へ参加している感じ、充実した時間を過ごした満足感が高まる気がします。ありがとうございました。

オンラインでの研修は初めてでしたが、都会でしか受けられない、こんなに素晴らしい研修を、自宅で集中して学ぶことができるのはとても効率よく、非常に貴重な体験でした。グループワークで県外の皆さんと感想や臨床経験を共有することができたのもよかったです。ありがとうございました。

ZOOMでは、小グループでの話し合いがなかなか活性化せず難しいなと思いました。

ありがとうございました。日々の臨床で使えそうなことがたくさんあり、大変参考になりました。

弁証法についてのセミナーもお願いします。

ありがとうございました。 マインドフルネスの対象となる人や心理教育に際して有用となる視点や情報をたくさんいただけてありがたいです。

やはり事例があると具体的なやり方をイメージしやすいのになあと思いました。ズームでは難しいところもあるかもしれませんが、今後のセミナーで期待しております。

今回初めて、先生の話が全て納得できました。今までかなりの回数受けていましたが、自分のものにできていなかったかとがっくり来ました。今回は、しっかり使いたいと思います。どのCl.にどう使うかもイメージできました。結構使えるぞ!と心強い思いです。ありがとうございました。

数年前にマインドフルネスのトレーニングを受け、自分自身にすごく役に立っているのですが、患者さんやCLさんにはうまく説明できていないと感じることもあり、セミナーに参加させていただきました。ヒントがたくさん散りばめられているセミナーで、明日からの臨床に活かせることがたくさんありました。紹介いただいた本も購入しようと思います。

マインドフルネスをベースにERPを実施することなど新たな発見が多数ございました。興味深いご講演ありがとうございました。

興味深い内容で、2時間があっという間でした。マインドフルネスの重要性や意義が理解できました。今まで、マインドフルネスがよくわからなかったのですが、この講義と、自分で実践することで身に着けていく中で、日常の臨床でも使っていきたいです。グループワークがあることで、より理解できているところ、わかっていないところが明確化されました。若井先生の講義は、いつもテンポがよく、聞いていてすっと入ってくるなというのがあって、講義の進め方自体も勉強になりました。また受講したいです!

ワークもっと多いとありがたいです。呼吸⇒つまさき動かすなど、わかりやすかったです。

とてもわかりやすく説明いただき、ありがとうございます。セミナーマインドフルネス基礎からこの度、臨床応用を受講して理解がすすんだように思います。臨床への有効性を感じました。自身の臨床場面で使うには、もう少し理解を深める必要がありそうです。ワークブックで勉強してみます。セミナーなど企画がありましたらお知らせください。よろしくお願いします。

温度計のメタファーなど、先生の実践から編み出され効果が高かった情報も教えていただき、有意義でした。フォーカシングのプロセスの理解にも重なるところがあり、興味深く感じました。

はじめて受けるマインドフルネスの研修が若井先生でよかったと心から感謝しております。前回の講義も録画で学ばせていただけましたし、今回もわかりやすく、すぐに臨床に取り入れたい要素がいっぱいでした。

短時間のグループワークも有意義でした。皆さんが意見をしっかりおっしゃってくださったのでとても勉強になりました。

どうしても時間的にも制限があったり、参加者の方々も含めての質疑応答を聞くことが出来ない等、隔靴掻痒感は有りましたが、少し頭の中を整理する事ができました。 

ありがとうございました。

マインドフルネスをCBTに活用する方法を詳しく知ることができ大満足です。早速応用させていただきます!若井先生のご本、愛用しております!

京都大学でドイツ観念論哲学とその日本への影響を学ぶ。社会人経験後、認知行動療法の第一人者である井上和臣先生の指導を仰ぐために、鳴門教育大学大学院に進学。この頃からマインドフルネスの実践と研究を始める。 大学院修了後、長岡病院に入職。大阪経済大学・花園大学・立命館大学の非常勤講師、EAP研究所の客員研究員などを兼務。少年院へのマインドフルネス導入の助言も行っている。認知行動療法やマインドフルネスの研修をこれまで100回以上担当。 2020年1月に哲学心理研究所を開業。

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