メンタルヘルス研修「ストレス対処法としてのマインドフルネス」

2メンタルヘルス研修 講師
日 時2020年1月29日(水)15時〜17時
場 所大阪精神医療センター
内 容「ストレス対処法としてのマインドフルネス」
参加者医療専門職約25名

 今回の研修は、以前、私がどこかでやったマインドフルネス研修を受講されていた医師の先生が、ご自身の所属組織の研修の講師として推薦されたということで、お呼びがかかりました。精神科病院の職員向けということもあって、職員向けのメンタルヘルス研修と、専門職対象の認知行動療法研修の中間というか、両者の性質をもった研修としてやってほしいというニーズでしたので、両者の両立・調和を目指した内容を心がけました。

 研修が始まる前に、先の推薦してくださった医師とは別の医師で、以前私の研修を受けてくださった先生が、私が翻訳の協力した『マインドフルネス認知療法ワークブック』(北大路書房)をもってきて、サインしてほしいと言ってこられました。なんでも、こういうサインをもらうのが趣味ということでした。そういうことならと、下手な直筆のサインを書きました。

 研修の内容としては、一般的なマインドフルネスの説明を行った後、科学的認識論の立場から、マインドフルネスを観念的二重化の問題として、あるいは、直接の反映像とそれを媒介とした創造した像の問題として、捉え返して解説を加えました。また、患者さんに使っていくことも想定して、私が経験したうつ病や強迫性障害、全般性不安障害の患者さんのケースも少し交えながら解説しました。そして、マインドフルネスを実際に長けんしていただくべく、ワークを行いました。実施したワークは、呼吸のマインドフルネス、マインドフル・ウォーキング、レーズン・エクササイズの3つでした。

 終了後、若い心理士の方があいさつに来てくれ、スーパーヴィジョン(臨床実践の個別指導のようなもの)の申し込みがありました。その方の大学院のときの先生から事前に依頼があったのです。スーパーヴィジョンは私自身の勉強にもなり、大歓迎です。両者の都合から、SkypeやZoomを使ったオンラインのスーパーヴィジョンになる予定です。

京都大学でドイツ観念論哲学とその日本への影響を学ぶ。社会人経験後、認知行動療法の第一人者である井上和臣先生の指導を仰ぐために、鳴門教育大学大学院に進学。この頃からマインドフルネスの実践と研究を始める。 大学院修了後、長岡病院に入職。大阪経済大学・花園大学・立命館大学の非常勤講師、EAP研究所の客員研究員などを兼務。少年院へのマインドフルネス導入の助言も行っている。認知行動療法やマインドフルネスの研修をこれまで100回以上担当。 2020年1月に哲学心理研究所を開業。

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